2020年7月10日

【共同研究2】「在宅介護で暮らし続けられる条件の検討」グループ

                            

【共同研究2】「在宅介護で暮らし続けられる条件の検討」グループ
要介護期における高齢者の在宅療養生活の継続要因
─要介護度100 スタイル─

 わが国では、高齢化の進展とともに単身高齢者世帯の増加が予測され、最期まで自宅で生活する高齢者の増加が考えられる。高齢者が要介護になっても最期まで自宅で生活をし続けるために、「医療・介護・住まい・予防・生活支援」を一体とした環境を整えることが必須である。そこで、要介護期にある高齢者の在宅生活の継続にかかわる要因を探索した。そのため、1)一人暮らし高齢者の介護記録から生活に変化をもたらす要因を検討し、2)介護サービスと医療の提供を受けて在宅で生活をしている一人暮らしの高齢者にインタビューを実施した。具体的には、介護サービスを利用する一人暮らしの高齢者の体験と生活に変化をもたらす要因、それに対する介護サービスの内容について、24 時間定期巡回訪問介護看護サービスを提供する事業所の10 名の介護記録から6 つの変化を抽出した。次に、訪問看護サービスの利用者に6 つの変化の実体験について聞き取り、その内容を健康状態・心身機能・活動や参加・環境や個人にかかわる因子に沿って検討した。その結果、要介護になっても高齢者が在宅生活を継続させるために、個人の健康状態や心身機能だけでなく、地域生活における活動や参加、地域社会とのネットワークにも目を向けて支援することの重要性が示された。
(特任助教・木全真理)