2019年9月10日

【共同研究2】「在宅介護で暮らし続けられる条件の検討」グループ要介護期における独居高齢者の在宅療養生活の継続要因

                            

【共同研究2】「在宅介護で暮らし続けられる条件の検討」グループ
要介護期における独居高齢者の在宅療養生活の継続要因

 我が国では、高齢者やその家族の「本人・家族の選択と心構え」(厚生労働省;2013)をサポートする地域包括ケアシステムを推進している。また、そのサポートは、「医療・介護・住まい・予防・生活支援」の一体的整備を目指している。しかし、要介護期の生活支援に関する要因は、十分に明らかにされていない。そこで、今年度は、今後、都市部で急増することが予測されている独居世帯も考慮することと、独居の高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、要介護期にある高齢者の生活支援ニーズの把握と、生活支援が調整されるプロセスの可視化を試みることとした。そのため、都市部で定期巡回型の介護サービスを利用する高齢者10名の介護居宅サービス計画書・経過記録・生活支援アセスメントなどの介護と生活支援に関する記録を収集した。それらの記録から、支援経過に基づいた生活支援ニーズを抽出した。抽出したニーズについて、介護サービス事業者の従事者や管理者6名にフォーカスグループインタビューを実施し、意見を聴取した。その結果、高齢者自身が心身の衰えを実感するタイミングや、家族や友人の死などのライフイベントなどが、高齢者の心身の虚弱に至るインパクトを捉えた。引き続き2019年度も、記録の収集や専門家へのインタビュー等の実施を通じて、要介護期にある高齢者の生活支援に関する要因を整理していく。
(特任助教・木全真理)