2019年10月23日

IAGG2019リポート

<IAGG2019リポート>

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2019年10月23日から27日にかけて、台湾の台北市で11th International Association of Gerontology and Geriatrics Asia/Oceania Regional Congress (IAGG2019:国際老年学会アジア・オセアニア地域大会)が開かれ、GLAFSからは4人の学生が参加しました。個人研究の発表のほか、共同研究グループG4が”Exploring the Significance of the Community Center to Japanese Senior Citizens from the Perspective of Place Attachment”、G7が”How the Elderly Accept the Concept of IoT as Assistive Technology : Interventional Study of the Attitude to IoT by Workshop” という題目で研究成果の報告を行いました。

参加したコース生の感想

櫻井友理希(新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 博士1年)

この学会は、臨床科学、生物科学、行動科学および社会科学、政策および計画と実践、そしてジェロンテクノロジーの5つの異なる領域から最新の研究を共有することを目的として開催されました。
私たち2019年度共同研究グループG7では、最新研究成果「カードを用いたワークショップにより、高齢者が支援技術としてIoT (Internet of Things:モノのインターネット)をどのように受け入れるのか」について、ジェロンテクノロジーのセクションで口頭発表しました。この研究は、これからの少子高齢化に突入する日本社会において必須の課題となる高齢者の自立生活支援に関するものです。いろいろな分野の人々と協力し、実際の高齢者本人とワークショップ形式で討論しながら行っています。例えば、スマートフォンと家電を連携し、外出先で家の環境をコントロールするシステムなどを考察しています。私は生物学を専攻しており、今回のIAGGでの発表は専門外での発表のためとても緊張しました。しかし、学会自体はWelcome partyやツアーなどのいろいろな国の人たちと交流する場があり、また、企業などのブースもあり、とても勉強になりました。
高齢先進国である日本のこれからの社会をどのようにより良くしていくかについて考える際、特定の研究分野や領域でのみ対策を進めても限界があるのではないかと考えます。この学会やGLAFSのように様々な領域の人々が集まり、いろいろな視点から問題を見つめ、議論しあうことで独創的なアイディアが生まれるのではないかと思います。これからもGLAFSを通して、ジェロンテクノロジーやジェロントロジーの研究をし、様々な分野の学生とも交流することで、科学技術を生かしてより良い社会を目指せるようになれたらと思います。GLAFSそしてグループ共同研究の先生方やメンバーの多大なる支援のおかげで貴重な経験をすることができ、とても感謝しております。/td>

キム・ホンジク(工学系研究科都市工学専攻 博士2年)

高齢者、あるいは高齢社会という共通の対象を研究しながらも、学問分野やその研究者本人ごとの観点の違いがあり、会場にて行われる議論をすべて理解することはとても難しいです。特に、対象となる国の文化、研究者の学問分野の理論等を知らないと、その研究の学術的疑問点すら把握することが難しいことがあります。しかし、IAGGでの議論に参加して気づいたことは、統計学という共通の言語があり、それを媒介にお互い話し合うことが可能であったことです。特に多種類の学問分野が参入する会議では、このような共通の言語および理論の存在が必要であることを改めて実感しました。