フレイルチェックを取り入れる自治体が全国的に広がっています
<フレイルチェックを取り入れる自治体が全国的に広がっています> |
|||||
東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)・飯島勝矢教授が考案した「フレイルチェック」を実施する自治体が急増しています。 フレイルチェックとは、IOGが2012年から千葉県柏市で実施している調査(柏スタディ)をもとに作られた、市民同士でフレイル(注)の危険度をチェックし合い、集いの場で学び合うフレイル予防プログラムのこと。運営は、一定の研修を受けた「フレイルサポーター」と呼ばれるその地域に暮らすシニアで、市民による市民のためのフレイル予防という趣旨に賛同してくださった方々によりなされています。 当初は柏市で試験的に行われていましたが、現在では神奈川県茅ケ崎市、厚木市のほかに、和歌山県(紀の川市やかつらぎ町)、福岡県(飯塚市、上毛町、嘉麻市)、福井県(あわら市、坂井市)、首都圏では西東京市、杉並区など、多くの自治体で実施されるようになりました。2017年度中には神奈川県の三浦市や逗子市、藤沢市、座間市、湯河原市、そして年明けには東京都国立市、江戸川区でも始まる予定。参加者数はすでに3000人超、フレイルサポーターは321人にのぼります(29年8月時点)。 健康寿命を延ばし、住み慣れた街で活き活きと最後まで暮らすために、フレイル予防は欠かせません。IOGではこのプログラムがさらに多くの自治体で導入・継続され、活力ある地域コミュニティがより広がることを期待しています。 (注)フレイル──虚弱の意味であるFrailty(フレイルティ)から作られた言葉で、身体の衰え(フレイル)だけではなく、こころ(心理)のフレイルや社会的なフレイルなど、多面的な視点を含みます。加齢とともに心身の機能は衰えていきますが、適切な介入をすれば機能を戻すことは可能です。 全国のフレイルチェック会場の様子。
|