2016年11月28日

第6回 イブニングセミナー・リポート

<第6回 イブニングセミナー・リポート>

11月28日(月)に行われた第6回のイブニングセミナーは法学政治学研究科准教授の米村滋人先生に『認知症高齢者の行為に関する法律問題と解決の方向性』というテーマで、JR東海事件を例に認知症当事者をめぐる生活上の課題、また法的課題についてお話しいただきました。
コース生の松本博成さん(医学系研究科健康科学・看護学専攻)はセミナー終了後、「精神疾患に関する制度の歴史を踏まえたうえで、『精神疾患を有する人が地域の中で生活することに慣れていないからこそ、多くの高齢者が認知症という精神疾患を有するようになった現在、今回の事件・訴訟をはじめとする様々な問題が生じている』とする指摘はもっともだと感じた。また、認知症の人の普段の意思決定支援や事故が起きた際の対応については、簡単に解決策が見つかるものではないが、現場の感覚、当事者目線に沿って物事を考えることに加え、法律の背景や司法の考え方を理解することで、より建設的で実現可能な解決策を探ることが出来ると思うようになった」とのこと。
米村准教授は医学生時代に司法試験に合格し、現在、循環器科の医師でありながら、法学政治学研究科で教鞭をとっています。現行法律のさまざまな問題点を、医学教育を受けた立場から語っていただいた大変貴重な講義となりました。
ev_semi_20161128 米村滋人先生(写真中央左)
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