2016年3月5日

国内シンポジウム2016リポート

<国内シンポジウム2016「ヘルシーエイジング社会をめざして」リポート>

2016年3月5日(土)、東京大学浅野キャンパス武田ホールで、IOG/GLAFS国内シンポジウム2016「ヘルシーエイジング社会をめざして」が開催されました。第1部は学生による共同研究の成果発表、第2部前半はGLAFS内外の教員や関係者の方々からの報告。後半では、上野千鶴子先生(東大名誉教授/NPO法人ウィメンズアクションネットワーク〈WAN〉理事長)の講演がありました。テーマは「脱近代家族と選択縁のネットワーク」。上野先生には、その後のパネルディスカッションでも大方機構長やGLAFSの学生たちと意見交換を行っていただきました。

第1部 GLAFS共同研究成果報告(10:00~12:30)

GLAFSでは学生が分野を超えてチームになり、高齢社会の重要テーマについて共同研究を行っていますが、本年度で2年目となるその成果報告とともに、残された課題や今後の方針について意見交換を行いました。

【各グループの発表テーマ(15分発表+質疑応答5分)】
グループ1「高齢者の終末期に向けた意思決定支援方法の検討」
グループ2「在宅介護サービス支援の適正な配分に関する研究」
グループ3「弱らない/弱っても暮らし続けられる住環境のデザイン」
グループ4、5「超高齢社会における地域課題解決に向けたコミュニティ活動のファシリテーション」
グループ6「有料老人ホーム入居高齢者の食形態と心身の健康に関する研究」
グループ7「高齢社会を支援するロボティクス」

第2部 ヘルシーエイジング社会をめざして(13:30~17:30)

■報告テーマ1:慢性疾患のケア・尊厳ある生活を支える方法について
在宅を含む地域包括ケアシステム、意思決定法学、安心・安全な住宅と住環境の整備、ロボット・工業技術等の分野から、報告と課題検討、今後の進め方について討議しました。

【登壇者とテーマ】
「地域包括ケアの推進」辻 哲夫(高齢社会総合研究機構・特任教授)
「意思決定と法の役割」樋口 範雄(大学院法学政治学研究科法曹養成専攻・教授 )
「高齢者のケアと居住環境」永田 智子(大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻・准教授)
「ヘルシーエイジング社会をめざして:安全・安心な暮らし─店頭予防の観点から」田中 敏明(高齢社会総合研究機構・特任教授)
「超高齢社会におけるロボット技術の活用」鎌田 実(大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻・教授)
■報告テーマ2:健康増進・虚弱化予防・シニアアミューズメントの最前線
リビング・ラボ、生活習慣病予防・フレイル予防、高齢者向け生きがい創出産業、コミュニティ活動支援等の分野から、報告と課題検討、今後の進め方について討議しました。

【登壇者とテーマ】
「コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン」秋山 弘子(高齢社会総合研究機構・特任教授)
「まちぐるみでの『フレイル予防』」飯島 勝矢(高齢社会総合研究機構・准教授)
「ICTを活用した中高年女性の虚弱化予防」檜山 敦(大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻・特任講師)
「雑誌づくりのヨコとタテ」上田 啓介(株式会社 木楽舎 経営企画室室長・広告部部長)
■特別講演「脱近代家族と選択縁のネットワーク」上野千鶴子(東大名誉教授、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク〈WAN〉理事長)
家族に代わる代替ネットワークは何か。アソシエーション(共同の目標に向かって結集するような集団)、そこに属する「選択縁」の可能性についてお話しいただきました。
■GLAFS学生主体パネルディスカッション「閉じこもり高齢者へのアプローチ── GLAFS学生は、如何なる超高齢社会をつくりたいか」
高齢者の閉じこもりという視点から、4人の学生による問題提起があった後、上野千鶴子先生と大方潤一郎機構長を交え、意見交換がなされました。

【学生による論点】
「超高齢社会におけるコンビニの可能性」松本博成(医学系研究科・健康科学・看護学専攻 修士課程2年)
「高齢者の閉じこもりと地域医療」今枝秀二郎(工学系研究科・建築学専攻 修士課程1年)
「地域活動の場をデザインする」須藤誠(教育学研究科・生涯学習基盤経営コース 博士課程1年)
「望ましい高齢社会」内山瑛美子(情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻 修士課程2年)
20160305kokunaiforum 第2部「GLAFS学生主体パネルディスカッション」の様子
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